海底の地層を柱状にくり抜いて採取し地震の履歴を調べる、ピストンコアラーという手法の調査があります。そのダイナミックな採り方と、新鮮なコアのさばき方を紹介します。
材料 (6メートル分)
【採取】
・大型調査船 … 1隻
・ピストンコアラー … 1器
・熟練の乗組員 … 適量
・頼もしい観測技術員 … 適量
・海に呼ばれた研究者 … 適量
【2枚おろし】
・長めの塩ビチューブ … 1本(押し出し用)
・コアライナーカッター … 1個
・コアキャップ … 6セット
・マルチセンサーコアロガー … 1台
・半割器 … 1台
・汚れてもいい硬質カード … 1枚
・分析用のキューブケース … いっぱい
・分類ラベル … すごくいっぱい
・コア保管ケース(D チューブ) … 12セット
コア試料のレシピ
① コア試料の採り方
事前に計画した調査ポイントまで船を出します。調査ポイント周辺に着いたら、船のソナーで海底の地形や地盤の硬さを調査し、ピストンコアラーを刺すのにちょうどいい地点を探します。

あらかじめピストンコアラーの装置を組み立てておきます。調査当日が天候に恵まれるよう祈りましょう。


調査開始時刻がきたら、円陣を組んで作業の安全確認のため指差しと声出しをします。
「ゼロ災でいこう、ヨシ!」


組み立てておいたピストンコアラー装置はワイヤーロープで船尾のAフレームクレーンに吊るします。しっかり吊るしたら、Aフレームクレーンを倒して、装置を海上に振り出します。


Aフレームクレーンをめいっぱい倒したら、ワイヤーロープを繰り出して5,000メートル近い海底へ向けて降下させます。
装置が無事に海底へ到着するまで後部操舵室でモニターします。装置はだいたい秒速1メートルで降りていくので、5,000メートル地点へ着くには1時間半ほどかかります。ペンレコーダーが振れたら、装置の先端が海底に触れた合図です。


パイプがスサっと刺さって泥を採取したのを見計らって、作業デッキの乗組員に無線で知らせます。GOが出たらワイヤーロープを巻き取り、ピストンコアラー装置をゆっくり引き揚げます。

装置が海面から出てきたら、揺れがおさまるのを待ってまずはパイロットコア(※6メートルの本体とは別で、単独で表層1メートルの地層を採取する補助コアラー)を回収します。


本体をデッキに引き揚げ、専用の台車で受け止めます。


作業デッキ中央にセッティングできたら、おもりを取り外して捌ける状態にします。

② コア試料のさばき方
長めの塩ビチューブで、パイプ内のインナーチューブを押し出します。

先端から1メートルのところにコアライナーカッターをセットし、固定します。しっかり固定できたらハンドルを回して塩ビチューブを切ります。


プチンと音がしたら一周切れています。コアライナーカッターを外し、両手で持ったヘラを切れ目に差し込んで中の泥がこぼれないよう注意しながら切り分けます。


ヘラを上に抜きながら、素早くコアキャップでフタをします。天地がわかるよう、天は白、地は赤です。間違えないよう注意してください。キャップができたら、同じ色のビニールテープで補強します。


これを5回くりかえし、6メートル分すべてを1メートルにカットします。時には中身がなく、海水が噴き出すことがあるので注意が必要です。

すべてカットし終えたら、試料を落ち着かせるため、ひと晩寝かせます。部屋は暗くしておくと、節電になってよいでしょう。

翌日、コア試料を起こしてマルチセンサーコアロガーにセットし、非破壊検査にかけます。検査が終わったら半割器で塩ビチューブの両サイドを切ります。中の泥はテグスを通して真っ二つに割れるようにします。


割れたら作業台に乗せ、事前に用意しておいた分類ラベルをキャップ部分に貼っておきます。半分は永久保存用の「アーカイブ」、もう半分は分析用の「ワーキング」です。
分類できたら薄くて硬いもので表面をきれいに整えます。ヘラもいいですが、診察カードや会員カードのようなものも手ごろでよいでしょう。


これが表面がきれいに整った状態です。記録写真を撮ったら、スケッチをしたり特徴や所感を書き留めたりしておきます。


「ワーキング」の試料に、スキマが空かないようにキューブケースを埋め、一つひとつの底面に分類ラベルを貼ります。埋め終えたら端から取り出し、ケースについた泥をきれいに拭います。


残った泥も余すところなくパッキングして、塩ビチューブも持ち帰れるようビニルバッグに入れてからプラスチックのコア保管ケースに収納します。


すべての行程を終えたら、帰港します。試料は港に着くまで船内の「試料保管室」にしまっておきましょう。接岸したらクレーンで船から下ろし、トラックで高知コア研究所へ運んでもらいます。


荷物を見届けたら下船し、帰路に着きます。家に着くまでが調査航海です。気をつけて帰りましょう。

うまく仕上げるコツ
- 採取時は、パイプが途中で折れないよう注意しましょう。
- 天候が悪い時は中止してください。
- ご家庭でお試しになるのは推奨しません。







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