2025.11.13
乗り込んでから丸1日が経った、午前9時すこし前。ボオォォ〜!!とかなんとか汽笛を響かせたりして派手に出航するのかと思っていたら、ものすごく静かに、ぬる〜っと岸壁を離れました、「みらい」。

あっ!もう結構離れてる!!
見送りに来られていた関係者の人影はあっという間に小さくなっていきますが、あちらからは巨大な船体がしばらく見えているのでしょう。岸壁の先端まで「みらい」を追いかけて来ているのが分かりましたが、その影もすぐに見えなくなり、日本一深いことで有名な駿河湾へ向けて船体は方向を変えます。

ごらんフカブカ。これが海、これが駿河湾だよ。
気付くと陸地はほとんど見えなくなり、近くを行く貨物船なんかがちらほら見えるほかは、ただただ海が広がるばかり。観測ポイントの日本海溝を目指して進み続けるのみですが、着くまでのんびりしていればいいかというと、なにかと忙しい。
「総連」と呼ばれる避難訓練に、居室フロアの水回りは使う人それぞれで掃除しましょうねと船員さんからのレクチャータイムがあったり、もちろん明日から始まる観測の打ち合わせなんかも。この間に3度の食事時間がきっちり巡ってきて、しっかり食べることにいちばん忙しくしてる気もします。
夜には房総半島沖あたりに差し掛かったそうで、早い!と感じたけれど、黒潮の流れが思ったより緩やかでスピードが上がらないと話すのは航海士のMさんと船長。「流れに乗る」って慣用句があるけど、船はリアルに潮の流れに乗ることでブーストするんですね。
ところで、船内では揺れても大丈夫な工夫があちこちに見られます。例えばドアにはフックがついていて、特にトイレなんかは個室を出る時にフックをかけるのを忘れちゃいけません。あるフロアの女子トイレでは、昨日から片方のドアがいつも閉まってます。フックをかけ忘れたんだなと思いつつも、もし中に人がいたら…その大惨事を想像すると確認する勇気が出ません。こうして開かずにトイレになってしまうので、フックをかけ忘れないこと、重要です。

フック、ヨシ!
椅子も、キャスターは付いていないか、付いているものは床にくくりつけられています。

ここで生き続けることを宿命づけられた椅子。

居室のいかにもなオフィスチェアは、キャスター機能が封じこめられている。
明日の15時までには、最初の観測ポイントに着くとのこと。いよいよ研究チームの出番です。



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