こんにちは、脈です。
最後に日記を書いてから、3ヶ月以上も経っている恐ろしい事実にはいったん目を瞑って、今日はまもなくお披露目の「フカメチャンネル」が実現するまでのてんやわんやを書き綴りたいと思います。
フカメディアがYouTubeへの潜入計画を企てはじめたのは、今から1年半近くも前の2024年6月中旬のこと。その前の月にJAMSTEC東京事務所で高井さんとお会いした時に「動画はやらへんの?」と問われたことに端を発し、「高井さんに出てもらって世論を動かす力のある動画をフカメディアが発信するのだ」と、力説したクリエイティブ担当の宇山さん。
その時にやっと、WEBメディア=テキストメディアではない、なんて当たり前のことに気付きました。自分が文章を書いてきた立場ゆえ、そればかりが頭を占めていたけれど、あらゆる手段を使いこなし伝える力を持ってこそ編集長というもの。いっちょやってみようと動画の企画づくりを開始し、7月には企画書にまとめてJAMSTECに提案。その返事を聞きに、8月に入ってすぐ横浜研究所を突撃しました。

その時に見かけた「メンダコのペンダコ」。ペンダコができるほど勉強したことなかったから、思いもよらない言葉選びに度肝を抜かれた
対応してくれたのは、当時の報道室長だったKさん。唐突に現れた新興メディアが持ってきた大それた企画など門前払いでもおかしくないと覚悟していたのに、おおらかに面白がってくれました。「こういうのはやりたくても自分たちではできないから」と、二つ返事で内部調整を約束してくれた時の心強さと誇らしさは、今でも忘れられません。
ちなみに当初の案は、Barの設定でした。マスター・高井さんと、深海に関係のあるお客さんの会話に、アルバイト店員役の私が相槌を打ったりするというものでしたが、打ち合わせを経て企画を詰める中で私がメインホストを務めることに。この時にスナック設定になったのは、16歳の時にアルバイトをしていた回転寿司の社員のおじさんに言われた「場末のスナックのママ感あるよねw」というド失礼なイジりを、30年近くずっと根に持っていたからでしょう。

中学校卒業の日の脈。老け顔であることは認めざるを得ない
いくら老け顔だとはいえ、若さを持て余してしかいない歳の子に言うことか?とムカついた気持ちを、こうしてコンテンツに落とし込むことで昇華した感があります。そして、スナックのママ役なら大阪の姉やん感がうまくハマるので、地を存分に出せるのもやりやすい。
企画の大枠が決まり、転がりだしたYouTube潜入計画は「フカメチャンネル」に名前が決定。気持ちが前のめりに前のめるあまり、9月にはYouTubeにアカウントを開設していました。さらに、お呼びしたいゲスト候補を繋いでもらい出演交渉が始まるのですが、ここで抗えぬ事態が起きます。繁忙期、到来。
フカメディアで収益を生み出す仕組みを作れていない以上、他の仕事もして暮らしとフカメディアの活動費を賄わなければいけません。そちらが大いに盛り上がってきたことで、ゲスト用の資料づくりに手が付かず、正式オファーを出すまでに2ヶ月かかってしまいました。お忙しい一国一城の主人を相手に、年内で出演交渉がまとまるはずもなく、そのまま空中分解してしまいそうな雰囲気を感じて横須賀に関係者を招集。膝を突き合わせて実現に向けた話し合いの場を持ったのは、2025年1月も終わろうとしていた頃でした。
実は、ゲストの会社の役員会で「そんなよく分からない動画に出て大丈夫か」と全会一致で止められていて、どう返事をしたものかと迷っていたとのこと。そらそうやわな。私が役員でも止めたと思います。出演するメリットがゲスト側にあるのか?状況をどう打開するか考えあぐねているところ、「ここでやらなければ我々は歳をとっていくだけだ」と説得してくれたのは高井さんでした。我がことのように熱くなってくれたことに驚き、そして嬉しくもあり。
そのおかげでご出演の承諾をいただき、出演者のスケジュールを合わせた3月中旬に無事撮影がおこなわれました。

撮影中。Full Depth Studioさんの全面協力により、本格的な機材と環境で撮ってもらっている
そこから今日の公開までに8ヶ月近くかかったのは、フカメディアの持つマンパワーの脆弱さゆえにほかなりません。
事前にある程度の構成は組んでいたものの、動画初心者がその通りに進めることは、そうそうできず……。撮れた素材ベースであらためて構成を組み立て、使うシーンを選抜。会話の文字起こしをしてテロップ原稿を作り、編集作業。補足画像の準備やBGMなど音素材の選定、サムネイル画づくりなど、次々と湧いてくる作業。これを日々こなしているYouTuberの凄さを痛感します。
あまりに多くの時間がかかりましたが、それでも、それぞれにフカメディア以外の仕事にも向き合い、家庭の事情などもある中で、これが精一杯だったと思います。今後も、フカメディアらしいペースでの配信にはなりますが、深海に携わる人々の、なかなか聞くことができないリアルな話を発信していきたいと考えています。
記念すべき第1回のゲストは、研究船を“動かしている”会社の社長さん。「動かしてるのもJAMSTECじゃないの?」って思いましたよね?私もそう思っていました。この世には、「しんかい6500」も含めて、深海研究で活躍する船を動かすプロフェッショナル集団が所属する会社があるんですよ。
そんな実は、の知られざる話から、みんな気になっている「しんかい6500」の後を継ぐ潜水調査船のこと、そしてSNSでも一時議論が起こった“潜水調査船にヒトは必要なのか?”という大きなテーマまで、ぶっちゃけトークが繰り広げられます。

チャンネル登録してね→https://www.youtube.com/@fukamedia_jp
本日、11月11日19時公開予定です。
万難を排してご覧ください。



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