こんにちは、脈です。
関西の海、とみに太平洋側は浅い。
これは味わいが薄いとか個性がないというような意味の比喩でもなんでもなく、物理的に浅いのです。
ほとんどの府県が接している大阪湾の平均水深は20〜30メートルほど。いちばん深いところでもせいぜい40メートルほどで、埋め立てが盛んにおこなわれているため、海らしさというのはあまり感じられない海です。可燃性の高いメタンガスが発生してると話題の中心でもありますね。
兵庫の西側が接している瀬戸内海の播磨灘は、穏やかで風光明媚で、ぼんやり眺めるのにちょうどいい。けれど深さの面では、大阪湾よりは深いと言っても最深部で60メートルほど。
おもに和歌山が面している紀伊水道はちょっと深くて、沖に出れば200メートル以上の深さがあるというけれど、沿岸からストーン!といきなり1000メートル級まで深くなる富山湾や、日本で最も深くて地球深部探査船「ちきゅう」の母港である清水港を擁する駿河湾に比べると、とてもささやか。
こういう事情から、関西の、特に太平洋側には深海の話題はほとんど起こりません。
なぜこんな話をするのか。深海という点において関西がいかに不毛な土地であるかをアピールしたいからではありません。そういう事情があるからこそ、めずらしく深海界隈の方から関西にやってきてくれることが、いかに貴重でありがたいことか伝えられるだろうかと思ったのです。
さて、長い前置きを経て、ここからが本題です。
深海の話題に乏しい関西の、それも大阪湾に浮かぶ人工島に、深海研究のトップランナーたちがやって来ます。

出典:https://www.qst.go.jp/site/entangle-moment/stage.html#18-2
現役研究者として「しんかい6500」への最多搭乗を誇るミスター深海こと高井さんと対峙するのは、特撮を得意とする樋口真嗣監督。いちばん最近では『シン・ゴジラ』がよく知られています。わたしが敬愛する『タローマン』の生みの親・藤井亮監督とも対談されていました。いったいどんな話になるのか、まったく想像がつきませんが、思いもしない方向へぶっ飛んでいくんだろうと思うと、楽しみでしかありません。
同じ日の16時から、もうひとつ。

出典:https://www.qst.go.jp/site/entangle-moment/stage.html#18-3
こちらは深海研究の現場に則したお話が聞けそうです。「しんかい6500」のパイロットであり、フカメディアも密かに超応援している飯島さつきさんが大阪に来てくれるなんて。
さらに18時から、研究者×アーティストのトークセッションがあるようですが、まだ中身が発表されていません。どなたが来られるのでしょう。
いずれも場所は、大阪・関西万博会場内の「WASSE」なるイベントスペース。西ゲートを入ってすぐのところにある、ここです。8月18日ですよ。

出典:https://www.expo2025.or.jp/expo-map-index/main-facilities/expomesse/
万博会場内なので、もちろん万博の入場チケットは別途必要ですが、イベント自体には当日配布される入場整理券をもらう権利を事前予約してから指定された時間に現地に行くと、無料で参加できるしくみのようです。
浅い海の上で聴く、深い海の話。趣きが深い。皆さんいいですか?8月18日は万博集合ね。フカブカもきっといます。深々と下げる頭をなでると、ご利益はきっとありませんが、かわいいです。夢洲で会いましょう。
コメント